腰痛が起こる本当の原因は?考え方から変える腰痛対策
腰が痛くて病院に行くけど、原因がよくわからないわ。『姿勢が悪い』とか『運動不足』とか聞くけど、腰痛ってなんで起こるの?
実は病院に通っても85%の腰痛は原因が特定できません。現代医学をもってしてもハッキリとは解明されていないのです。一方でストレスなどの精神面が大きく影響することがわかってきています。
腰痛で整形外科に通っても患者さんの85%はレントゲンやMRI画像などに原因が映らない『非特異的腰痛(腰痛症)』と診断されます。
現代医学をもってしても、ほとんどの腰痛は原因がわからないのです。ですから、とりあえず特別に異常や異変はない腰痛(非特異的腰痛)としているのです。
ちなみに椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、腰椎すべり症などの診断がつく腰痛は14%、胃潰瘍や胆石、閉塞性動脈硬化症、子宮筋腫、腎炎、尿路結石や癌などの内臓疾患によるものは1%となっています。
一方、そのような腰痛の中でもわかっていることがあります。日本整形外科学会が発表した「慢性腰痛の治療ガイドライン」によると、慢性的な腰痛患者の1/3に、「強いストレス」の関与があげられています。
強いストレスがかかる人ほど腰痛になりやすいのです。実際に腰痛患者の数はストレスの最もかかる30代が多くなっています。30代は男性なら中間管理職ストレス、女性なら育児ストレスが大きいと言われています。(ストレスは必ずしも悪いものではありませんよ)
このように腰痛においては心理面も大きく関与するのです。最近は腰痛で整形外科に通っても「何かストレスはありませんか?」と聞かれるくらいです。
つまり、腰痛の原因は『姿勢の悪さ』や『ストレス』、『身体の硬さ』、『思い込み』など様々な原因があるのです。(『思い込み』については後で解説しますね)
腰痛の方にとっては「じゃあいったいどうしたらいいの!!」という気持ちになりますよね・・・。
で、じゃあどうしたらいいの??
腰痛対策には『身体の使い方を変える』、『頑張り方を変える』、『腰痛にとらわれない』の3つの対策をとることが大切です。
私はスポーツインストラクターとして腰痛改善教室を開いています。そこには腰痛の方も多く参加していますが、腰痛対策には3つのポイントがあります。
- 身体の使い方を変える
- 頑張り方を変える
- 腰痛にとらわれない
身体の使い方を変える
身体の使い方は人によって様々です。
たとえば腕を組んでみてください。この動作にも癖が表れています。あなたは右腕と左腕のどちらが上になっていますか?では右腕と左腕の位置を反対にしてみてください。
どんな感じがしますか?すごくしっくりこない感じがすると思います(笑)
私たちの動作の多くはすでに習慣となっており、誰しも癖があるのです。そして、腰痛の方は『腰痛が起こりやすい動作の癖』があるのです。
特に身体を緊張させて力みやすい人や股関節が使えない人は腰痛になりやすいです。そのような方は身体の使い方を変えることによって腰痛対策を行うことができます。
身体の使い方に興味がある方は『腰痛改善体操はやり方が大切!体操で余計に痛める人必見!』を参考にどうぞ。
頑張り方を変える
私の印象ですが、腰痛の方の多くはとても努力家で一生懸命な方が多いと感じます。考え方もまっすぐで頑張り屋さん!その半面、頑張りすぎてリラックスが苦手です。ついつい無理をしてできる限り頑張ってしまうのです。
腰痛改善体操もがんばって行います。こんなに力まなくてもいいのに一生懸命に力むという具合です(笑)。そのような方は『もっとかる~く、らく~に、やわらか~くやってね~』と伝えています。
そして「そうか楽にしてもいいんだ。こんなに頑張らなくてもいいのか~。」と実感した時に腰痛が和らぐことが多いです。和らぐというよりも、気にならなくなるという方が適切かもしれません。
腰痛改善教室では様々な場面で「頑張り方が大切ですよ」と伝えています。不思議ですが、「頑張らないといけない!」や反対に「もう頑張らない・・・」のどちらかに考え方が傾くと不自然な身体の力みが起こります。
頑張り方を大切にするというのは自分の気持ちがハッピーになることに力を注ぐということです。ちょっとスピリチュアルに聞こえますが、そうではありません(笑)。
たとえば、他人から見て「とっても頑張っているけど、本人は楽しそう。」と言う人がいますよね。そのような人の頑張り方には無理がなく、本人も幸せです。逆に「私は頑張らないといけない!」と肩ひじ張った頑張り方には無理が出てきます。
私たちには自分がハッピーになれる頑張り方があると思うのです。それは自分のペースではじめることであったり、自分の好きなことを大切にすることかもしれません。どちらにせよ、無理に頑張るよりも自分に優しく向き合った方が腰痛は変わりやすいようです。
腰痛改善体操も同じです。気持ちの良くない体操をやる必要はありませんよ。気持ちの良いものだけを気持ちの良いと感じる回数やると決めることが大切だと思っています。
腰痛にとらわれない
腰痛が良くなる過程でよく聞く言葉があります。それは「腰痛はまだあるけど、気にしなくなった」という言葉です。
私は最初、「身体の使い方や姿勢が変わって、筋肉の緊張も弛んだので腰痛が改善したんだな。」と思っていました。ですが、どうやらそれだけではないようです。
よく聞くと「痛み自体はまだあるけど、気にならなくなった」というのです。つまり、身体と考え方が変わることである意味、腰痛に目が向かなくなったのです。「腰痛だけど、それよりこれがやりたい」と言う感じです。(かなり勝手な解釈ですね(笑))。
よく考えると、腰痛持ちの方も教室でみんなとしゃべっている時は腰痛を忘れています。また、好きなことや趣味に没頭していると腰痛を感じていません。
逆に普段は「腰を動かさないようにしないと・・・」や「腰が痛くなったらどうしよう・・・」と腰痛の心配ばかりしていたりします。腰痛を気にするので痛みを必要以上に感じるのではないでしょうか?
このような『腰痛へのとらわれ』から教室受講生を解放?するために、私は一つのアドバイスをしています。それは「好きなことをもっとやってみてください」ということです。実は先ほど紹介した頑張り方を変えるコツでもあります。
私たちは好きなことをしている時ほど、その瞬間を楽しんでいます。腰痛なんて忘れてしまうくらいです(笑)。
私たちが腰痛を治したい!というときは腰痛体操や整体に通いがちです。もちろんそれも大切ですが、考え方を変えることで腰痛が変わることもありますよ。これは私が腰痛改善教室を10年間運営してきて感じたことです。
近年、日本でも腰痛対策として考え方を変える認知行動療法を使う病院が増えてきました。アメリカでは20年前から一般的ですが、考え方を変えることは身体の状態を変えることにもつながります。
考え方を変えていくのは一朝一夕にできるものではありません。ですから少しずつで良いと思います。忙しい毎日の中で、自分の好きなことなんてやっていられない!!って気持ちは私も良くわかります。実際に子育て奮闘中の私もできていないことが多いので(笑)。
お互いに自分にとって良い頑張り方を見つけていきましょうね。
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